奈良女子大学アジア・ジェンダー文化学研究センターでは、9月6日から15日の日程で、バングラデシュ研修を行いました。多くの応募のなかから選ばれた研修生は、大学院修士1回生、学部4回生が2名、学部1回生の4名で、各自の問題関心(口腔衛生、栄養・衛生、マイクロクレジットと女性のライフコース、初等・中等教育の現状)に応じて調査課題を立て、現地で施設見学や聞き取り調査を行いました。
9月6日
22:30 関西空港集合
9月7日
00:30 出発(バンコク経由)
12:30(現地時間) バングラデシュ到着
写真:空港からダッカ市内へ。交通インフラが十分に整備される前に自動車が普及したために、収拾がつかない状態だった。滞在中の交通事故を覚悟した瞬間。
16:00 今回の研修のサポーターであるGUP(Gono Unnayan Prochesta; 現地NGO)ダッカ事務所訪問。GUP所長、スタッフ、通訳と面会。
左から3番目がGUPの所長。右から2番目がGUPのディレクターで、今回の研修を全面的にサポートしてくれた総合責任者。
9月8日
ダッカ市内を見学(ダッカ大学、ダッカ大学の学生街〈言語闘争の記念広場を含む〉、国立博物館他)。バングラデシュの近・現代は、イギリスからの独立戦争(東パキスタンとして)、ベンガル語(バングラデシュの公用語)とウルドゥー語(パキスタンの公用語)の言語闘争、パキスタンからの独立戦争、建国の父ムジブル・ラフマンの暗殺と、悲しい歴史的背景を持っている。関係各所を訪れ、今日のバングラデシュを築き上げてきた人々へ思いを馳せた。
ダッカ大学の学舎(左)とキャンパス内にある図書館
9月9日
06:00 ダッカ出発。ダッカから研修先のラジョール(Rajoir)村まで約6時間の車での旅。途中、独立記念公園に立ち寄り(写真左)、ガンジス川水系のポッダ川を船で渡った(写真右)。
13:00過ぎ ラジョール村に到着。
15:00~17:30 ラジョール村内のGUPのトレーニングセンターにてGUPの説明を受けた。その後、トレーニングセンター内を見学。
18:30~21:00 歓迎会
9月10日
午前 教育機関訪問チームとヘルスセンター訪問チームに分かれて行動。
● 教育機関訪問チーム: ラジョール村近郊の公立小学校、公立中学校、NGOが運営する小学校を訪問。バングラデシュの初~中等教育の現状を教員から聞き取った。
写真左: 公立小学校の1年生のクラス。
写真右: 中等学校を訪問中。教師から聞き取りをしていたら見学をする生徒で溢れ、遂に教室内に入ってきてしまった。写真には写っていないが、女子生徒の割合は全体の約4割。
● ヘルスセンターチーム:ヘルスセンターを訪問し、医療事情や利用者の栄養事情について保健師から話しを聞いた。
午後 教育機関訪問チーム、家庭訪問チームにわかれる。
● 教育機関訪問チーム:ラジョール村郊外の村にあるAfter Schoolと呼ばれる学校を訪問する。ここはさまざまな事情で小学校を退学した子どものための補習学校である。教育現場を見学したり、教員から話しを聞いたりした。
● 家庭訪問チーム: 家庭での食事や栄養について聞き取りを行った。
9月11日
午前 家庭訪問チーム、ヘルスセンターチーム、マイクロクレジットチームに分かれて行動。
● 家庭訪問チーム: ラジョール村内の4つの家庭を訪問。生活状況や、子どもの教育への態度、家庭での衛生教育について聞き取りを行った。
● ヘルスセンターチーム: 前日から引き続き、ヘルスセンターを訪問し、医療事情や利用者の栄養事情について保健師から話しを聞いた。
● マイクロクレジットチーム:ラジョール村に隣接する集落を訪問し、マイクロファイナンス利用者の仕事、家族、経済的効果などについて聞き取りを行った。
家庭訪問で、質問をする学生。
午後 ラジョール村近郊の村を訪問し、マイクロファイナンス利用者(夫のいない女性2名)の仕事、家族、経済的効果などについて聞き取りを行った。
マイクロファイナンス利用者からの聞き取り調査中。後ろに立っている人は見物人。
9月12日
午前 マイクロファイナンス利用者の定例会議を見学し、利用者および貸出している側双方から話しを聞いた。
午後 リア村を訪問。村内の見学と、村内にあるAfter Schoolを訪問した。
9月13日
午前 ラジョール地区を管轄する政府教育機関(日本の教育機関のようなところ)を訪問し教育長に教育事情の話しを聞いた。その後、総合病院を訪問し、医師から医療事情について話しを聞いた。
教育長(後列中央の半袖の男性)と職員との記念写真。
総合病院にて、医師から個別に聞き取りを行う学生たち
午後 ダッカへ向けて出発。
20:00 ダッカ到着。
9月14日
午前 GUPダッカ事務所を訪問し、お礼と別れの挨拶をしたあとに、空港へ向けて出発。
午後 13:35発のタイ航空にて、日本へ戻る(バンコク経由)。
9月15日
07:30 関西空港到着。解散。
おまけ①
どこへ行っても、多くの人に囲まれました。
おまけ②
10月17日(土)午前に研修の報告会を行いました。研修に参加した4名の学生は、出発前に各自が立てた研究課題を遂行するために、現地でどのようなことを行い、どのような結果が得られたのかを、写真や図表を用いながら報告しました。持ち時間は一人20分の予定でしたが、予定を大幅に延長するほど多くの研修成果が報告されました。
研修参加者の報告書はこちらから
春田美沙子(博士前期課程生活文化学専攻1回生)
クリックしてBangladesh-haruta.pdfにアクセス
大内 詩野 (生活環境学部食物栄養学科4回生)
クリックしてBangladesh-Ouchi.pdfにアクセス
山岸 采加 (文学部人文社会学科4回生)
クリックしてBangladesh-Yamagishi.pdfにアクセス
田中 智子 (文学部1回生)