【主催】国際シンポジウム アジアの社会におけるヘルスケアの現在ー子どもから高齢期まで Healthcare in Asian Societal Contexts: from Childhood to the Later Life

 Health for allということばもあるように、健康は今ではすべての人びとの権利とみなされるようになっている。また今回のコロナ禍を通して、私たちは健康を維持するためのヘルスケアが社会の重要なインフラであることを再認識した。では、私たちとヘルスケアとの距離は、どのくらいが望ましいのだろうか。ヘルスケアはなくてはならないが、近すぎることは医学的な見方が何よりも優先される医療化につながる。とくに女性の人生においては、産むこと・産まないことを含めてその身体が常に医療の対象になってきた。また、医療化は病気や障害がスティグマ化されることにもつながっている。その一方で、コロナ禍は治療にアクセスできない人びとやワクチン不足が経済格差と密接に連動していることを照らし出した。また、ワクチン接種をめぐる価値観やライフスタイルの違いを許容する社会とそうではない社会との違いをも明るみに出している。これらのアジアにおけるヘルスケアのトピックスを見る中で、医療との適切な距離やアジア的な社会・文化的コンテクストについて、また医学的な数値目標が重要性を増す中で、ジェンダーや社会科学の視点からどのような貢献ができるのかを議論したい。

全体司会者:高岡尚子(奈良女子大学アジア・ジェンダー文化学研究センター長) 

第1報告 14:05-14:45

■官 晨怡氏(臺灣大学公共衛生学院)

現在台湾におけるワクチン接種へのためらいと新しい親としての規範 

Vaccine Hesitancy and New Parental Norms in Conteporary Taiwan  

第2報告 14:45-15:10               

■井口 高志氏(東京大学大学院人文社会系研究科)

病いや疾患との共生とは何か?:現代日本社会における認知症予防と備えの倫理の変遷から考える

What is Coexistence with Illness and Disease: Thinking through the Changing Logic of Dementia Prevention and Preparedness in Contemporary Japanese Society

第3報告 15:10-15:35 

■松岡 悦子氏(奈良女子大学名誉教授/アジア・ジェンダー文化学研究センター協力研究員)

ヘルスケアの権利と義務ーバングラデシュ農村と日本の女性たち 

Reconidering Healthcare for Women in Rural Bagladesh and in Japan: Rights or Oligation? 

第1コメント 15:45-16:00 

■白井 千晶氏(静岡大学)

第2コメント 16:00-16:40 

■浮ヶ谷 幸代氏(相模女子大学名誉教授)

■ディスカッション 16:15-16:40 

日程:2022年12月10日(土) 14:00 ~ 16:40

開催方法:オンライン配信(ZOOM使用) 

申込方法:参加・視聴希望者は、12月9日(金)午後2時までに下記のリンク先へアクセスし、申込フォームから登録してください https://forms.gle/DwQQiQopZmenAmA89 参加URLをお送りします